性能比較実験
立命館大学 教学部長 総合理工学院 理工学部 建築都市デザイン学科
教授
建山 和由 工学博士
今回は、主に静的水平荷重を載荷して用心棒の耐転倒性能に関する実験を行った。用心棒を装着すると、通常の場合に比べ、2倍~4倍の水平荷重に抵抗して転倒しにくいということが確認された。また、用心棒の先端を地表面に固定することができると、耐転倒性能はさらに大幅に改善されることも明らかになった。
静的荷重に対する耐力実験
実験方法
三脚にワイヤーをかけ、滑車を用いて静的荷重を与え、地面に対して三脚をさまざまな方向で設置し、実験を行いました。
載荷方法
三脚に対する載荷方向は,図-1に示すように3パターンとしました。
- 角度1:2脚を結ぶ線が載荷方向に直角に載荷、三脚が最も転倒し易い載荷方向。
- 角度2:角度1と角度2の中間的な載荷方向。
- 角度3:1脚を通る方向に載荷、三脚が最も転倒し難い載荷方向。
実験結果
未装着の場合は2.8~2.9kgの荷重で転倒しましたが、装着している場合は4.2kgの荷重でも転倒しませんでした。
また、ピンを打ち込んだ場合は10kgの荷重を与えても転倒しませんでした。
静的載荷 | ||||
搭載機器 | 設置角度 | 用心棒無し | 用心棒有りピン無し | 用心棒有りピン有り |
ターゲット | 角度1 | 0.82 | 3.2 ( 3.9 ) | 5.1 ( 6.2 ) |
角度2 | 0.95 | 2.05 ( 2.2 ) | - | |
角度3 | 1.8 | 2.0 ( 1.1 ) | 5.6 ( 3.1 ) | |
トランシット | 角度1 | 1.5 | 4.2 ( 2.8 ) | 5.6 ( 3.7 ) |
角度2 | - | - | - | |
角度3 | 2.9 | 3.0 ( 1.0 ) | 10kg以上 |
表中の「-」は,実験を行っていないことを意味しています。表中の数値は,転倒時の最荷重の大きさ(kg)を示しています。
また,数値の横の( )内の数値は,用心棒が無い場合の転倒荷重に対する有る場合のそれの倍数を表しています。
衝撃荷重に対する耐力実験
機械からの高さ1mで、重さ1kg、3kgの重りを三脚に振り下ろす耐力実験
未装着:重さ1kgの衝撃で転倒しました。
装着:3kgの衝撃を与えても転倒しませんでした。